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職場のピアプレッシャーについて

2026年4月23日12:06 PM

企業という組織の中では周囲との関係性を重視して、多勢の意見に従わなくてはならないことはままあり、このような所謂、同調圧力はピアプレッシャーと呼ばれ、過度なピアプレッシャーは、「上司に異を唱えるのが怖い」「周りに同調するしかない」といったようなストレスを感じるなど、仕事に支障をきたす恐れすらあり、そのような状態を放置してしまえば、業務の生産性が低下したり、さらにはメンバーの離職にも繋がってしまいかねません。

このように同調圧力という言葉の響きからマイナス要素に受け取られがちな一方で、適度なピアプレッシャーであれば、一定の緊張感によって組織のモラルや生産性が保たれる効果があるため、メンバー間に助け合いが生まれたり、信頼関係が醸成されたりというメリットもあり、ピアプレッシャーを上手く活用することで、組織にとってメリットがある状態を作り上げていくことが求められます。

そもそも日本の社会は他人と衝突することをなるべく避けて「和」を尊ぶといった考えが古くから存在しており、海外と比較すると、ピアプレッシャーの影響を受けやすい国と言われています。これは、日本が「集団文化」の影響を受けており、様々な場面で「空気を読む」ということが求められていることからも窺えます。一方で、終身雇用制に代わって成果主義が主流になり始めた頃から、日本におけるピアプレッシャーの意味合いが変化するようになり、昇給や昇進の基準として、年功序列ではなく個人の成果が評価されるようになり、社員同士がお互いの働き方をより強く意識するようになったことにより、成果主義の環境下の現在の方が、ピアプレッシャーの相互監視的な側面が強く働く結果となっています。

そして、こうした成果主義が行き過ぎてしまうと、同僚を敵とみなし、互いを監視するようになり、社内の関係性の悪化やパワハラの発生などの問題に発展しかねないリスクとなってしまうため、ピアプレッシャーが強く働きすぎてしまわないように、これまで以上に対応していく必要があり、いかにプラスに働きかけるようマネジメントしていけるかが重要となっています。

そのため、まず、ピアプレッシャーが全く発生しない職場環境はないと認識して、上司はメンバー同士の間にピアプレッシャーが働き過ぎていないかを把握し、強すぎるピアプレッシャーによってメンバーがストレスを感じていないか、常に気を配り、都度の声かけや定期的な面談などによって、メンバーのモチベーションの向上を促していくことが必要です。例えば、ピアプレッシャーの調整として、上司と部下との1on1や先輩社員と若手社員が交流するメンター制度などを導入し、メンバー間でのコミュニケーションを活性化させる方法もあり、メンバー同士の相互理解が深まることで、チームで協力しやすい関係を構築することもできます。

次に、ピアプレッシャーがもつ「相互監視」の側面を「相互配慮」に変えて、チームワーク向上のために活用していくために、チームメンバー一人ひとりの状況を把握しておくことが大事です。例えば、業務で困っていたり、何か問題を抱えているメンバーがいたら、周囲を巻き込み迅速にサポートできる体制を整えておくことが望ましく、また、上司からのサポートだけでなく、比較的仲の良いメンバー同士で相談に乗ってもらうことも効果的であり、メンバー同士がお互いの状況や仕事の内容を把握することにもなり、進捗の遅れやミスにも気付きやすく、迅速なサポートも可能となるなど、メンバー一人ひとりのコンディションを明確にし、メンバー間で自然に助け合える「相互配慮」の状況を作り出していきます。

そして、こうした適度なピアプレッシャーの中では、お互いの働き方や仕事への向き合い方について関心をもつようになり、特に新入社員に対しては周囲が進んで世話をするようになるなど、フォローの輪が広がることが予想され、社員の離職率低下にも貢献できる可能性も高まります。

最終的には、お互いの良い部分や改善すべき点をフィードバックし合える文化を作っていくことが大切であり、メンバーが周囲からの視線を意識し、自分を高めていける状況を作り出すことができれば、チーム内でのメンバー同士の健全な競争も可能となり、ひいては組織全体の成長に繋がることにもなります。皆さんの職場はいかがですか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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労働基準法の改正について

2026年3月26日9:45 AM

昨今、日本においては多様な働き方や健康経営など、労働に関わる複数の目標を並行して実現することが求められており、その実現に向けた施策は、努力義務や運用解釈に頼る制度設計が中心でした。また、デジタル化が進むにつれて「勤務時間外の連絡」「業務範囲の拡張」「境界線の不明確化」といった新たな課題も顕在化しており、刻々と社会構造や働き方が変化する中、改めて労働基準法を見直す必要性が高まっています。

そこで、労働基準関係法制研究会の報告書では、労働基準法の改正に向けて、主に以下のような事項が検討されていることが公表されています。

  • 連続勤務の上限規制(連続14日以上の勤務の禁止)
  • 法定休日の特定義務
  • 年次有給休暇取得時の賃金算定の原則化
  • 勤務間インターバルの義務化
  • つながらない権利(指針・ガイドライン策定の検討)
  • 法定労働時間週44時間の特例措置の廃止
  • 副業・兼業者の割増賃金算定における労働時間通算ルールの見直し
  • 時間単位の年次有給休暇日数の拡大

一方で、2026年の施行が予定されていた労働基準法改正について、通常国会への改正案提出が見送られることとなったことで、「改正はなくなったのではないか」「当面は対応を考えなくてもよいのではないか」と感じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、今回の見送りは、労働基準法改正そのものが白紙になったことを意味するのではなく、寧ろ制度設計を見直すための調整期間が設けられたと捉えることもでき、企業は法改正の施行を見据えた実務対応を早期に開始する必要があります。その対応は様々ですが、特に以下の4点が重要となるでしょう。

  • 就業規則・雇用契約書の見直しの検討
  • 労務管理体制の整備
  • 従業員への周知準備
  • 勤怠管理・給与計算システムの改修

このように、いずれ施行となるであろう労働基準法の改正は、連続勤務の制限や勤務間インターバルの義務化、「つながらない権利」の明確化など、働き方そのものに直結する内容が多く含まれており、企業における就業規則や制度設計の見直し、勤怠管理システムや給与計算システムの改修といった実務への対応が不可欠です。皆さんの職場では、どのように準備を進められていますか。

カテゴリー:雇用管理

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社員のオーナーシップについて

2026年2月25日11:35 AM

オーナーシップとは、「指示されたからやる」という消極的な仕事の取り組み方ではなく、より「自分事」として仕事に取り組もうとするマインドセットであり、所謂、当事者意識のことです。

人手不足が恒常的な課題となり、さらに今までの常識が通用しなくなってきている現代で組織力を保っていくためには、これまでのように「上司やリーダーが当たり前に指揮をとり、下の社員がそれについていく」という形だけでは対応しきれず、上司やリーダーの意思決定だけではなく、社員全員が主体性をもって仕事に向き合う必要性がこれまで以上に高まっています。

そもそも、上司やリーダーの統率力だけに頼るのは限界があり、メンバーが指示されることに慣れてしまい、自律性の高い人材が育たず、チームを強化していくことは難しいため、決まったやり方だけに囚われず多様な価値観をもった意見が活発に飛び交う風土と、そこで生まれたアイディアをスピーディに実現することができる環境をいかに作ることができるかがカギとなっています。

そこでいま、企業としての価値を高めるだけでなく、社員のやりがいや人材の定着にも密接に関係するオーナーシップが注目を集めているわけですが、その一方で、マネージャーやリーダーであるにも関わらず、オーナーシップをもてない社員が少なからず存在することも現実です。

オーナーシップをもてない要因としては、「失敗やリスクへの不安」や「将来への不透明感」などのポジティブな意識の低下、また、「プライベート時間の重視」や「現状維持バイアス」などの変化を嫌うことなどが挙げられ、「仕事の成果も自身の成長もほどほどでいい」と感じている若いビジネスパーソンも少なくなく、まず「入ってくるお金」、次に「プライベートな時間」、そして「それに対して発生する労働」とが、上手くバランスがとれている状態が理想という意識が当たり前になれば、「自分は、どういう人になりたいのか」「自分の人生をどうしていきたいのか」という自身の「ビジョン」を描き切れずに、ただ漠然と日々の仕事をこなすだけの状態になってしまいます。

そのため、社員がそうした状態に陥る前に、心理的安全性を確保し、普段のミーティングから決まったメンバーばかりが発言するのはなく、誰もが意見を言える雰囲気作りを醸成することや、一人ひとりに仕事の裁量を与えて自ら考えて仕事をさせることで、仕事を「自分事」へと変化させていけるよう仕向けていくこと、さらに、「失敗を責め過ぎず、失敗しても次に活かせばいい」というカルチャーを醸成することも必要であり、オーナーシップを発揮している社員を評価するなど、前向きにチャレンジできるような環境作りを行っていくことがとても大事となります。皆さんの職場ではどのように取り組まれていますか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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社内エンゲージメントサーベイについて

2026年1月25日11:36 AM

昨今、組織や社員の現状を把握して改善に繋げるために、エンゲージメントサーベイを実施する企業が増えています。エンゲージメントサーベイとは、社員のエンゲージメントを定量的に測定する調査であり、社員がどのくらい会社を理解して愛着を持って働いているのかを把握するための調査です。社員エンゲージメントを把握することで、組織内で解決に向けて着手すべき課題が明確になり、また、得られた調査結果を有効活用することで、人事戦略の立案などにも役立てることができます。

一方で、「効果を感じられない」「意味があるのかわからない」といった声も少なく、社員がその効果を実感できていないのであれば、「無駄」となってしまう可能性もあります。忙しい中で回答した労力に対して、社員が恩恵を感じていないと、逆に社員のエンゲージメントが低下し、折角の調査が却ってリスクともなりかねません。そのような結果を避けるためにも、効果的に運用して組織の改善に着実に繋げていくことが重要となります。

進め方としては、まず、サーベイの依頼を各部署のトップ、もしくは経営者自らが発信することが大切です。それによって「全社的な取り組みである」というメッセージを伝えることができ、社員一人ひとりに当事者意識が芽生え、回答の精度や回答率が高くなる傾向があります。

次に、質問の仕方です。社員は現業が忙しいなかで回答にかける労力に見合った「メリット」を求めていることを配慮したうえで、調査目的を明確にします。例えば、「回答結果をもとに組織や社員の抱える問題点を把握して改善することを目的とする」などを設問シートに記載することや「調査結果をフィードバックする」ということも伝えることで、社員への目的の周知と理解を得ることが必要です。また、エンゲージメントサーベイを実施する際には、社員への負担を極力減らす姿勢が必要となるため、実施する間隔は半年から1年に一度にし、設問数も50問程度にとどめて短時間で終わるようにするなどの配慮も大事になります。

このように、エンゲージメントサーベイは、やり方によっては無駄になってしまう可能性があります。そのため、エンゲージメントサーベイを「社内コミュニケーション」の一つとして捉え、意識的に取り組むことが求められます。皆さんの職場ではどのように取り組まれていますか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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リテンションマネジメントについて

2025年12月25日11:19 AM

リテンションマネジメントとは、組織における人材の離職を防ぎ、継続して活躍してもらうためのマネジメント手法のことを言います。少子高齢化による労働人口の減少が増々加速し、企業は必要な働き手を確保できずに慢性的な人材不足に悩まされ続けています。一方で、このような状況下でも生産性の向上を目指していくことが必要なため、社員に長く働き続けてもらうための取組みをいかに効果的に行っていけるかが重要な経営課題の一つとなっています。さらに、人材の流動化によって、定年まで一つの企業で働き続ける終身雇用の概念は弱まり、若年層の早期退職がもはや特別ではないことから、多くの企業でリテンションマネジメントが注目され始めています。

リテンションマネジメントがもたらすメリットとしては、まず、採用コストの抑制が挙げられます。企業が人材を採用する際には、「採用に関わる事務的コスト」「人材紹介会社などへの手数料」「人材育成コスト」などの様々なコストが必要であり、リテンションマネジメントによって若手の離職を防ぐことができれば、新たな採用活動を計画的に進められるため、採用コストの抑制が可能となります。また、離職率の低下により働きやすい職場であることを内外にアピールすることができ、良好な労働環境が重視される昨今での有効なアピールポイントにもなります。

二つ目は、ノウハウの蓄積と流出防止です。社員が退職すると、その社員がこれまで会社で蓄積したスキルやノウハウが流出してしまうリスクが発生しかねません。情報流出リスクは、企業が退職する社員と秘密保持誓約書を締結することである程度抑止することは可能ですが、リテンションマネジメントを通して社員の定着を図ることの方が企業としては好ましいと言えるでしょう。また、社員が定着することで、個人のスキルやノウハウのみならず、組織全体としてのスキルやノウハウの蓄積が可能となり、社内ネットワークの構築や維持が安定します。

三つ目は、安定的な経営戦略の遂行です。職場のコアとなる社員や優秀な人材、将来を期待できる若手社員の定着を図ることで、人材を長期的に観察し、適材適所に配置することで、企業としての安定的な経営戦略や人材戦略が可能となり、さらに、経営層や管理職、中堅社員、若手社員など、階層間を超えた信頼関係が構築でき、結果的に経営の安定に繋がります。

最後に、社員のモチベーション向上です。リテンションマネジメントによって、社員のモチベーションやエンゲージメントの向上を図ることができ、生産性の向上や職場の活性化にも繋がり、組織全体で離職率を低下させる効果を期待できます。

リテンションマネジメントは、大きく「金銭的報酬」と「非金銭的報酬」に分けられ、「金銭的報酬」としては「個人の能力に応じた給与」や「インセンティブ」「ストックオプション」「福利厚生」などが、「非金銭的報酬」としては「キャリア形成やスキルアップのサポート」や「ワークライフバランスの実現」「充実した就業環境の整備」などが挙げられますが、年功序列が淘汰され、成果主義の導入が主流になった現在、多くの人事考課や人事評価は「成果」「能力」「コンピテンシー(行動特性)」が基準となったことによって、「自分の仕事の結果次第で給料は決まる」「低い報酬であったとしても、もっとゆとりのある仕事がしたい」などの相反するような意識も社員間では発生しており、さらに労働に対する価値観の多様化も相まって、成果主義や高報酬を掲げるだけではリテンションマネジメントの効果は期待しづらい状況も少なくなく、近年は「金銭的報酬」以外の価値を重視する傾向が高まりつつあります。皆さんの職場では、どのような取り組みを進めれていますか。

カテゴリー:雇用管理

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思いもよらずハラスメントと訴えられてしまったら

2025年11月24日12:20 PM

パワハラやセクハラなど、職場でのあらゆるハラスメントが許されないことは絶対ですが、突然、人事から呼び出されて、「あなたからハラスメントを受けたとの訴えがあった」と言われたら、誰しも冷静でいられることはできないのではないでしょうか。

そうした際、加害者とされた側にも様々な理由があり言い分は多々あったとしても、まず相手に不快な思いをさせてしまったことを十分反省し、この先どのように対応していくべきかを検討することが大切です。一方で、自分ではハラスメントと思い当たる行為をした覚えがないなど、全くの無罪とは言えないまでも、自分の記憶が被害を受けたと主張する相手の証言と食い違うケースも少なくなくはありません。

ハラスメントと指摘されたり、疑いをかけられた際に大切なのは、「自分のした発言や行為がハラスメントにあたるのかどうか」を正確に確認することです。被害者が被害状況を鮮明に記憶していて会社に告発しているのに対して、加害者とされる側は全く覚えていないのでは、被害者の言い分だけが通っていってしまいます。そのため、少しでも早く、できるだけ鮮明かつ具体的に当時の記憶を思い出すことが大事です。「自分の言動はハラスメントであって反省しなければならないのか」、それとも「ハラスメントではなかったのか」によって、その後の対応は大きく異なります。また、もしハラスメントであったと認識できた場合でも、「どれほどの重さのハラスメントだったのか」によって、その後に会社から受ける処分がハラスメントの重さに応じた相当な処分であるかの検討も必要になります。

例えば、セクハラという悪気はなく、無自覚なままに加害者になってしまう方もいらっしゃると思いますが、自身の行為が少しでもハラスメントであったと気付いたなら、しっかりと反省し、誠心誠意、相手に謝罪することが大事です。一方で、加害者側の判断で対面の謝罪を希望したり、早く安心したいからと事を急いてしまうと、二次被害と言われてしまう恐れがあります。また、加害者の真意が透けて見えてしまっていたり、加害者都合の進め方になっていれば、さらに被害者の怒りを買ってしまうことにもなりかねません。そのため、謝罪文を用意するなど、必ず人事や会社の相談窓口を通して真摯に相手側に謝罪することが必要です。

そして、なにより大事なことは、すぐにハラスメントと思われるような言動をやめることです。自分としては悪気はなかったとしても、結果として相手を不快にさせてしまった行為がどんなものであったかを反省し、いますぐ、これまでの言動や習慣を改め、同じ行為を絶対にしないようにすることが必須です。

立場が上になればなるほど、自分には自覚や記憶がなかったと思われることでも「煙」が立っただけで「アウト」であると強く認識し、前時代的な価値観やコミュニケーションは捨てて、メンバーが安心して働くことができる職場環境を作っていくことが上司の皆さんには求められています。皆さんの職場はどんな職場ですか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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組織における社員のキャリアパスについて

2025年10月25日10:10 AM

日本では、1950年代の戦後復興期から年功序列や終身雇用、定期昇給制度が採用されてきましたが、1990年代のバブル崩壊をきっかけに成果主義に移行する企業が増加し、さらに、働き方の価値観が変化し、多様化したことで、将来どのようなキャリアを築くのかを社員が主体的に考えることが必要となりました。加えて、現在では一つの企業に長く勤めることが当たり前ではなく、転職や独立も含めてキャリア形成していくことが一般的になりつつあり、労働人口の減少も相まって、優秀な人材を確保し社員の定着率を高めることは、企業にとって大きな課題の一つとなっています。

そこで、一つの基準としてキャリアパスを示すことによって、「どのようなスキルが必要で、そのために何をすれば良いか」そして、「そのスキルを身に付けると何ができるのか」など、若い社員が目標意識をもって仕事に取り組める仕組みの整備が、近年、多くの企業で行われています。

キャリアパスは、社員が将来的に組織内でどうありたいかを具体的にイメージするためのものであり、キャリアパスがあることで自分が組織内で追求したいキャリアが明確になるため、それを実現するための必要なスキルや経験などを把握したうえで、具体的な目標を設定できるようになり、企業側もキャリアパスによって、一人ひとりの社員の目標達成度やスキル開発の進捗から、特定のキャリアに相応しい人材であるかの見極めが可能となります。

キャリアパスと似た言葉にキャリアプランとキャリアデザインがありますが、キャリアプランとは、理想の働き方など「将来どのようなキャリアを構築したいのか」を中長期的な計画としてプランニングすることを指し、キャリアを築くための道筋を考える点ではキャリアパスと似ていますが、キャリアプランは転職や独立といった一つの企業にとらわれずに計画を立てる点で違いがあります。一方、キャリアデザインは、仕事だけに限定せずに「どのような人生を歩みたいのか」など、将来の目標を主体的に設計していくことを指し、キャリアパスが組織内での役職や職務といった目標に辿り着くまでの計画を立てること対して、キャリアデザインは仕事だけでなく価値観やライフスタイルを含めた人生全体をプランニングすることにあります。

このように、キャリアパスは組織内でのキャリアへのプロセスを示すものであり、それぞれが描くキャリアプランやキャリアデザインとの整合性をとりながら、社員一人ひとりが設計し、いかに目標に向かって努力していけるかがカギとなります。皆さんの職場では、若い社員がキャリアパスをイメージできていますか。

カテゴリー:人材育成

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組織開発に有効なデリバラブルについて

2025年9月25日10:54 AM

終身雇用制度が崩壊した現在、多くの企業の課題として「組織力の向上」と「離職率の低減」が挙げられますが、これらに有効な組織開発の手法として近年注目されているのが「デリバラブル」です。

デリバラブルとは、「deliver(届ける、もたらす)」と「able(できる)」を組み合わせた「もたらすことができる」という意味であり、人材育成におけるデリバラブルは、「組織や個人が誰かに対して何らかの価値の提供を行う」という考え方を意味し、「何をしたのか」という行動ではなく、行動したことによって「何をもたらしたのか」「どのように役に立ったのか」という価値の提供による結果を重視します。例えば、人事部門の活動で例えるなら、「社員向けの社内研修を実施した」という行動の結果、「社員に成長のためのヒントとなる機会を提供できた」という価値の提供を生み出すことができたと考えることとなります。

デリバラブルによる思考法を組織に導入するメリットととしては、まず、業務の生産性の向上です。デリバラブルをベースに他者への価値の提供による貢献や業務の背景を考えることで、あまり組織貢献に結びつかない無駄な業務を排除したり、今やるべき業務を優先的に進めたりといった業務の取捨選択や優先順位付けを行うことで、必然的に生産性が上がり、業務のPDCAサイクルを早めることができます。

次に、個々の社員の思考力の向上です。依頼された業務や自分が抱えているタスクに対して「なぜ今これをやる必要があるのか」と、業務の目的や意味、依頼者の意向、顧客ニーズ等を考えたりすることで、思考力が身につき、業務に主体性を持てるようになり、サービス品質の改善や新たなアイデアの創出に繋がります。

そして、離職率の低減です。少子高齢化による慢性的な人手不足のため、多くの企業で採用と育成にコストを掛けざる負えず、社員の離職は企業にとって大きな痛手となっています。そこで、デリバラブルを組織に浸透させることによって、社員一人ひとりが物事の背景や行動の目的を理解できるようになり、一つひとつの業務の捉え方が変わることで、当事者意識が育ちやすくなり、自分の仕事に対してプライドを持つことが出来たり、人材の定着率の向上に繋がります。

このように、デリバラブルとは物事の背景を考える思考法であり、物事の本質を理解できるようになる効果があります。デリバラブルによる考え方が身につくと、「仕事を通じて他者に何らかの価値の提供をする」といった発想ができるようになるため、個々の社員のやりがいの醸成や組織の活性化、生産性の向上が可能となります。皆さんの職場では、デリバラブルの考え方は取り入れられていますか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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人事制度の見直しについて

2025年8月26日10:49 AM

多くの企業で人事制度が運用されていますが、人事制度は一度整備すれば完結というわけではなく、適切なタイミングで見直し、組織の事業環境に適した人事制度として補強改善していく必要があります。

そのタイミングの一つ目としては、会社の規模を拡大するときです。社員が増えて会社の規模が拡大すると、従来の人事制度では対応しきれないケースが発生します。社員が少ないうちは、上司ひとりでもしっかり時間を取って評価、管理できるかもしれません。一方で、会社の規模が大きくなり、何人もの部下を抱えるようになった場合、すべての部下を上司ひとりで管理するのは難しくなり、部下からも不信感が生まれ、生産性の低下に繋がりかねません。

二つ目は、法改正や社会環境など、外部環境が変わるタイミングです。新型コロナの感染拡大や働き方改革などによって、これまでの社会環境が大きく変化したことにより、それぞれの社員の仕事に対する価値観も変化しました。こうして環境や価値観が変わったことに対して、従来の人事制度のまま運用を続けても実態に馴染まないため、納得感が得られないことが挙げられます。

三つ目のタイミングは、社名の変更や世代交代、社内組織の改編、主力事業の再構築などの大きな転機です。このタイミングで人事制度を見直すことにより、社員は心機一転して再び頑張ろうという意識をもつことができます。一方で、功を焦って改革を急がないよう、社員の意識や社内状況を十分見極めながら進める必要があります。

人事制度を見直す際のポイントとしては、社員のモチベーションを維持しながら課題を明確化、可視化することが重要です。その中でも、特に重要になるのが「公平性」の確保です。成果が正しく処遇に結びつかない公平性に欠ける人事制度では、社員のモチベーションや生産性は上がるはずがありません。人事制度の曖昧さを排除して、明確な評価基準を設定することで公平性の確保に繋がり、さらに評価過程や結果を可視化することにより、社員の納得感をより高めることができます。

さらに、業務内容や人材スキルの可視化も重要です。例えば、データベース等で各職層ごとに求められる役割職務やスキル、業務内容などを明確化し共有することで、表面上では理解しづらかった要件がひと目でわかるようになるため、それぞれの社員が「自分はどこへ向かって努力していけばいいのか」を理解することができ、社員の成長と生産性の向上に寄与します。

このように、人事制度の見直しは組織の成長や発展にとって欠かせないものです。皆さんの会社でも、いま一度、人事制度を見直されてみてはいかがでしょうか。

カテゴリー:評価制度,資格制度

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育児介護休業法等の改正について

2025年7月25日10:20 AM

令和6年5月31日に育児・介護休業法及び次世代育成支援対策推進法が改正され、仕事と育児、介護の両立等の改正法として、令和7年4月1日から段階的に施行されています。

改正のポイントは大きく3つあります。

  1. 子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充
  2. 育児休業の取得状況の公表義務の拡大や次世代育成支援対策の推進・強化
  3. 介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等

こうした改正により、企業には多くの影響が予想される一方で、柔軟な働き方の措置が拡充されることで、育児や介護を行っている社員にとってより働きやすい環境が整い、育児や介護の負担が軽減され、仕事との両立がしやすくなります。

また、育児休業の取得状況の公表義務が拡大されることで、企業の透明性が向上し、育児休業の取得が促進されることになり、次世代育成支援対策の推進や強化も進むため、企業はより積極的に育児支援策の導入を求められることになります。

さらに、介護離職防止のための支援制度が強化されることで、介護を理由に離職する社員が減少し、企業は貴重な人材を失うリスクの低減が可能となり、社員のワークライフバランスの向上も期待されます。

今回の法改正は、社員が育児や介護と仕事を両立しやすい環境を整えるための重要なステップであり、企業はこれらの改正に対応するための準備が必要となります。特に、柔軟な働き方の措置や育児休業の取得状況の公表、介護支援制度の整備など、具体的な対応策を講じることが求められます。

一方で、どのような企業や業種、職場でも、今回の法改正や制度を現実的に導入、実行できるのか、という課題が残されていることも事実です。

経営者の皆さんにおかれては、このような法改正に関する最新の情報を把握して、適切な対応を行っていくことで、社員がより働きやすい環境を整えて、企業の持続的な成長を目指していくことではないでしょうか。

カテゴリー:雇用管理

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企業の熱中症対策義務化について

2025年6月25日11:15 AM

今年は梅雨入りしたにもかかわらず、まだ6月とは思えないほどの異例の猛暑となっていますが、ビジネスの場面でも、この6月より、労働安全衛生規則の改正に伴って、熱中症対策が法律で義務づけられることとなりました。企業へのこれまでの努力義務が明確に義務づけされたことにより、違反した場合には罰則の対象となることが大きな変更点となります。

今回の安衛法改正には、毎年のように発生している作業中の熱中症による労働災害の深刻化があり、特に建設現場や工場などの高温多湿な場所で働かざる負えない職場での重篤な症状や死亡事故が後を絶たないため、厚生労働省が労働者の安全確保のための対策に踏み切ったという背景があります。

対象となるのは、作業環境が高温状態にある職場、例えば、気温が31℃以上、あるいは暑さ指数であるWBGT値が28を超える条件下で、連続して1時間以上、もしくは1日4時間以上作業を行う職場が該当します。これにより、企業は作業環境の温度や湿度を適切に把握し、必要な予防措置を講じたうえで、従業員に対して熱中症の危険性や対応策についての教育や周知を行うことが求められることとなり、これまで以上に職場での安全衛生管理体制が問われることになります。

猛暑が増々、常態化、深刻化していく中で、暑熱環境下で働く従業員の安全と健康を守ることは、企業にとって重要な責務であり、法令に沿った対策を講じることはもちろん、現場の実情に応じた柔軟かつ実効性のある対応を継続することが、労働災害の予防と職場環境の向上に繋がります。

さらに、この度の義務化により、WBGT値の計測や休憩時間の設定、冷却設備の導入、安全衛生教育の強化など、多方面にわたる準備が求められこととなり、単なるルールの遵守だけではなく、従業員の安全を守ると同時に、社会からの企業の信頼を高めるための重要な取り組みとなっていくものと思われます。

建設・工事現場や工場内での作業時だけに限らず、外回りの営業活動や流通の現場など、様々なビジネスシーンで熱中症のリスクは懸念されます。これからも深刻化していくであろう気候・環境変化に対して、あらゆる企業や職場において、従業員のメンタルだけでなく、フィジカルへの安全のケアが求められています。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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人事評価制度のトレンドについて

2025年5月26日5:45 PM

評価制度は、人事制度の一つであり、組織への貢献度や社員の能力を評価するための仕組みです。一般的に等級制度や賃金制度と連動し、評価が良ければ役職や等級が上がり、給料も上がります。会社の業績や社員のモチベーション、エンゲージメントと関係するため、制度やその運用に課題を持つ企業は少なくなく、多くの企業で取り入れられている一方で、正しく運用されていないこともまだまだ少なくないようです。

評価制度の導入の目的は三つあり、まず一つ目は、社員の業績や能力によって適した給与や賞与、昇進、昇格等の処遇を決定することです。社員一人ひとりのこれまでの業績や能力を序列的に示すことで、客観的に判断し処遇を決定するのに役立つシステムです。

二つ目は、配置への活用です。客観的な人事評価によって、それぞれの社員の能力を冷静に序列的に見ることができ、適材適所でポストに就かせることが可能となり、十分にその能力を活用することができます。

三つ目は、人材育成です。評価によって社員に期待されている行動が明らかになるので、社員自身が積極的に貢献度の高い行動を取ることが期待でき、さらに評価内容のフィードバックによって、それぞれが次の課題を持つことで、自分の努力の方向性が明確となり、それぞれのアクションプランをイメージしやすくなります。さらに企業の経営方針や方向性に合わせた評価基準を設定し、それを組織内で共有することで、社員一人ひとりの力を業務に反映させることも可能となります。

一方で、近年の人事評価をめぐる大きな潮流として、「評価期間をできるだけ短くする」「細かいレーティング(格付け・評価基準)を廃止する」「フィードバックの内容に重きを置く」などの企業が増えてきており、実際にレーティングを廃止した企業では、良い影響が見られたという事例も報告されています。

こうしたトレンドの背景にあるのが、環境や企業の人材マネジメントへの考え方の変化です。評価期間の短縮に関しては、年次や半期、場合によっては四半期であっても現代のビジネスサイクルから見ると長期間過ぎて、期初に立てた目標への達成度を評価しても意味をなさないケースが増えてきたことが大きな理由のようです。また、レーティングを廃止する傾向については、レーティングに費やす手間と時間が膨大であるにもかかわらず、実際に格付けする行為自体がどの程度ダイレクトに社員のパフォーマンスに影響しているのか明確には判断できないことや、少ない人数を可能な限り育成し、利益を最大化することこそが組織の機能性や効率性を高めると考えるに至ったことなどが理由としてあるようです。さらに、フィードバックを重要視することについては、本人の業績や能力の向上のために率直な話し合いの機会を設けることを選ぶ企業が増えていることが背景にあります。

評価制度を正しく運用するためには、人事評価の目的に沿って目標に合った評価内容を設定すること、そして、定期的に見直すことで時代にあった評価制度として運用していくことが必要です。皆さんの職場では、どのような人事評価を導入されていますか。

カテゴリー:評価制度

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新入社員の早期離職の防止について

2025年4月25日11:31 AM

新入社員の3年以内の離職率は3割と言われており、この離職率の高さの背景には、昨今の売り手市場による転職の容易化という理由だけでなく、「入社前と入社後のギャップ」や「人間関係の問題」などのネガティブな要因が長年大きく横たわっています。一方で、こうした早期離職の原因となっている仕事や人間関係のミスマッチは、実は仕事の目的を知らないがためにやりがいを見出せなかったことや、職場の人たちとのコミュニケーションが不足していただけというケースも少なくありません。

そこで、折角コストをかけて採用や教育を行った人材を「組織に馴染めない」ことを理由に短期間で失わないために、「オンボーディング」が注目されています。

オンボーディングとは、新しく組織に加わった人材が職場にスムーズに適応し、早期に戦力化するための一連の流れであり、中途入社を含めた新入社員が職場やチームに早く馴染み、効率的に仕事を進められるようにサポートする取り組みのことです。また、入社後に起きやすい早期離職を防ぎ、社員を定着させる施策という意味も含まれ、新人研修が入社直後の基本的な内容に留まることが多いのに対し、オンボーディングは配属後も含めた継続的な人材育成であるため、新入社員や教育担当者だけでなく、広範囲の社員が関わるケースもあります。

オンボーディングを成功させるポイントとしては、まず、人事担当者が新入社員との信頼関係の土台を作っておくことが挙げられます。新しい職場環境で不安を抱える新入社員にとって、人事担当者が安心感を与える存在となっていることは早期適応にとても役立ち、新入社員が疑問や不安に思っている組織の情報をオープンにすることで信頼関係を得ていることが、その後の成長によい影響を与え、非常に有効となります。

次に、メンター制度を導入するなど、サポート体制を整備することです。メンター制度とは、年齢やキャリアが近い社員が新入社員のサポート役を担う制度であり、入社直後は「誰に相談すればいいか分からない」と悩むことも多いため、頼れる存在としてのメンターがいるだけで新入社員は安心して仕事に取り組むことができます。さらに、メンターが業務指導だけでなく、職場のルールや社内の人間関係構築の手助けを行うことで、新入社員のスムーズな職場適応を促し、オンボーディングの成功に大きく貢献します。

そして、上司や先輩社員が積極的なコミュニケーションを心がけることです。オンボーディングの成功には、何より上司や先輩社員の存在が欠かせません。新入社員が職場にスムーズに適応し早期に戦力となっていくためには、上司や先輩社員が新入社員のオンボーディングに積極的に関わっていくことが必要となります。例えば、業務プロセスでのOJTは勿論、チームミーティングやフィードバック、1on1等を定期的に実施することで、業務の進捗や課題、キャリアの展望について話し合うことなどは、より深いコミュニケーションが可能となります。さらに、社内イベントなどの新入社員が他のメンバーと交流できる機会を設けることも、新入社員の心理的な不安を和らげることに繋がる為、とても有効となります

こうした周囲からの積極的なコミュニケーションを通じて、新入社員は企業文化を理解し、組織の一員としての自覚を深めることで、組織コミットメントの醸成をスタートすることができます。皆さんの職場の新入社員は、職場に馴染めていますか。

カテゴリー:人材育成

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若手社員の早期戦力化について

2025年3月25日10:19 AM

各地で桜の開花が宣言され始め、今年も若い社員が入社してくる季節となりました。加速する少子高齢化による生産年齢人口の減少への対策として、若手の社員をいかに早期に戦力化できるかどうかが、全ての企業の課題となっています。

決して全てがそうとは言い切れませんが、これから入社してくる若者は、例えば徒競走で手を繋いでゴールするように一芸に秀でた子供よりも無難な子供に育つような教育を受けています。一方で、受験の偏差値により優劣が決められてしまう競争も経験しており、失敗が許されないというプレッシャーの中で育ってきています。また、日本の経済が停滞している時代背景に育った彼らは、「怒られることに慣れておらず、ストレス耐性が弱い」「リスクを避け、失敗しない無難な選択肢を選ぶ」「傷つきたくないという意識が強く、他人からの評価に敏感」というような特徴をもつ反面、「与えられた仕事は確実に行う」「自分の考え、意見をもっている」「情報収集が得意」「興味のあることは追及する」など、上司からすると物足りない面をもち合わせている一方で優れた面も多くもっています。

このような今の若手社員の特性を踏まえたうえで、企業は収益環境の厳しさが増す中で、一日も早く若手社員を戦力化し、収益に貢献してもらえるような人材に育てることが求められています。そのためには、若手社員育成の出発点として、彼らの成長を期待し、将来どのような人材に成長してほしいのかを上司がイメージし、そのイメージに基づいた育成の計画に沿ってキャリアアップさせていくことが必要です。そして、そうしたプロセスの中で、若手社員は上司や先輩からの日々の指導を通して自身の言動を振り返り、「基準行動とは何か」「自身の基準行動は他と何が違うのか」を考えられるようになり、結果、企業風土に沿った基準を身に付けていくことができます。

このように、積極的に上司が関わることで、本人のこれまでの価値基準や行動基準に改善点があるのであれば、いち早く脱却させ、企業人としてのマインドセットを図り、さらにそこで企業の基準を定着させることで「ルールやマナーを守る」「仕事の基本をわきまえている」社員として成長し、企業品格の向上や顧客からの信頼を得ることが可能となります。

早い段階から上司が若手社員との関わりを意識し、個々人の特性を理解して育成していかなければ、企業は成長どころか衰退してしまうリスクもありかねません。若手の社員であるからこそ、上司も指導しやすく早期の改善が期待できます。皆さんの職場では若手の育成は進められていますか。

カテゴリー:人材育成

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社員の組織コミットメントについて

2025年2月25日4:46 PM

組織コミットメントとは、個人が所属する組織に対して抱く帰属意識やその概念であり、言い換えれば、社員に「自分はこの会社の一員である」という意識や感覚があり、「この会社で働き続けたい」という意欲がある状態のことを言います。こうした組織コミットメントを高めるためには、社員と会社がお互いに心理的な距離を縮めて、いかに信頼関係を構築することができるかがカギとなります。

組織コミットメントのメリットとしては、社員の仕事に対するモチベーションや集中力が上がることで、業務効率や生産性の向上が期待できることや当然、定着率が向上するので、組織にとって重要な人材の流出も防げるうえ、人材の採用コストを削減できることなどが挙げられますが、何より、社員と会社との信頼関係が強くなり、上司と部下、同僚や他部署とのコミュニケーションが活発となることで、メンバー同士に絆が生まれ、さらにコミットメントが高まるという良質なサイクルが構築されることにあります。

組織コミットメントを向上するための方法としては、まず、組織の存在意義とビジョンを共有することです。ここでのポイントは、全社員へ浸透するまでトップが理念やビジョンを発信し続けることであり、と同時に、1on1の機会等で会社の方向性について話し合うなどの方法も有効となります。但し、一方的な伝達ではなく、社員一人ひとりが自身の価値観や目標と照らし合わせながら共感できる対話の機会として設けることが重要です。

次に、人間関係構築の支援です。報連相や1on1、フィードバックの機会を活用してコミュニケーションの機会を意図的に設定し、上司と部下間での関係性の構築を図ると同時に、上司は部下の価値観や将来なりたいと思う姿を理解しようとし、組織の目標と重ね合わせながら支援することで、部下の成長を組織の成果の最大化につなげやすくなります。また、このようなコミュニケーションによって、社員一人ひとりの心身の状態の変化なども早期に気付いて対応できるため、離職率の低下などへの効果も期待できます。

最後に、職場環境を今一度見直して整えることです。全ての社員が完全に満足できる職場環境を構築することは難しい一方で、多くの社員に効果をもたらす施策とは何か、働きやすさとは何かを考え、環境を構築し続ける必要があり、実務面での改善や人事制度等の見直し、福利厚生の充実など、より良い職場環境の構築を進めることがポイントとなります。

このように、組織コミットメントがもたらす効果は、循環により相乗効果をもたらす良いスパイラルを構築することとなり、ひいては組織全体の成長に波及していきます。皆さんの職場の組織コミットメントはいかがでしょうか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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社員一人ひとりのリーダーシップの必要性について

2025年1月28日11:37 AM

所謂、「強い組織」「挑戦できる組織」を作っていくためには、リーダーシップの総量を増やしていくことが求められます。一方で、「リーダーだけでなく、サポート役の社員も組織には必要なのではないか」、或いは「リーダータイプとサポータータイプの社員がそれぞれの強みを活かすことでいいのではないか」というお考えの経営者の皆さんも少なくないと思います。

リーダーシップとは、「メンバーに働きかけることで巻き込んで動かす影響力」という「能力」であり、「役割」であるマネジメントとは種類が異なるため、実は誰もが発揮できる可能性を秘めています。一方で、リーダーシップが誰でも発揮し得るものにもかかわらず、マネージャーやリーダーだけが発揮するものと思われているのは、リーダーシップが権限行使と混同されていることがあるのかもしれません。権限行使とは、管理職などの役職者としての立場に与えられた部下の意向に関係なく一方的に命じることができる権限を行使することであり、能力として発揮するリーダーシップとは性質が異なります。

リーダーシップを発揮できる社員が、良きサポーターの役割も果たすことができることと同じように、良きサポーターであるメンバーも、リーダーとなれるポテンシャルを備えている可能性は十分あり、さらに言えば、どのような立場であれ、場面や状況に応じてリーダーシップを発揮することは必要であり、立場で線引きしてしまうことは、折角のメンバーの成長や能力の開発の機会を奪ってもしまいかねません。

技術の進化をはじめとした加速度的な環境変化の時代である現在、共通認識の方向性を踏まえたうえで、メンバー一人ひとりが自律的に行動する「現場力」が問われています。「現場力」とは、現場という集合体がもつ能力、知識、技術、姿勢、意識などの総称であり、それぞれのメンバーが単独で動くのではなく、お互いに影響しあったり、周りを巻き込んで連携しながら仕事をすることで、より一層チームの成果は高まります。

上司が部下のリーダーであり、部下が上司のサポーターであるように、上司であっても、時として部下の最良のサポーターとなる必要があり、メンバー同士であっても、状況に応じてリーダーとなり、サポーターとなることが求められます。このような「誰もがリーダー、誰もがサポーター」という柔軟で流動的なチーム作りを目指すことによって、リーダーシップキャパシティが最大化された「強い組織」「挑戦できる組織」が現実化するのではないでしょうか。皆さんは、どうお考えになられますか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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人材育成の取り組みを戦略的に行えていますか

2024年12月27日12:29 PM

早いもので今年も年の瀬を迎える時期となりました。今年も多くの研修を打たせていただく機会を頂戴しましたが、そうした中で思うことは、企業によっては、果たして戦略的に人材育成を行うことができているのか、ということです。

人材育成とは、企業が成長するために社員の人としての成長やスキルアップを促すことであり、その目的が「企業の成長」に置かれているため、ただ単に社員の成長やスキルアップを目指すのではなく、企業のビジョンやミッションへの共感と、さらにそれを踏まえて貢献できる人材を育成することとなります。

一方で、人材育成はすぐに結果に繋がるものではなく、長期的な視点が必要であり、単発的な研修や奨励された資格試験を受けさせるといったことだけでは不十分であり、組織の業績に貢献できるような人材を育成していくためには、企業文化や経営方針、人事戦略を踏まえて計画的に管理しながら育成していくことが必要です。そこで、戦略的に人材育成を行っていくためには、以下の3つの視点から現行の教育体系を見直していく必要があります。

まず、「人事戦略と教育体系が一致しているかどうか」です。教育と言っても、学問ではなく業績向上に貢献できる人材を育成~輩出することが重要となるため、経営方針や事業戦略、人事戦略、教育体系とは一本の命脈で繋がっている必要があります。OJTやOFF-JT、SD(自己啓発)等の社内の育成サイクルにおける成果が、業績を向上させる人材の輩出に直結していることが最大のポイントとなります。

次に、「保有すべき能力要件が明確に言語化されているか」です。育成の目標を抽象的なままにせず、具体的な形として明確化することが肝要であり、求められる役割と担う職務、それを達成するための成果行動を体系的に言語化することで、実務能力と業績の向上をリンクさせることができます。そのため、人材要件を明確にして目標を設定し、その目標に対する現状を把握しながら、必要な指導・教育を行っていくことが求められます。このように目標が明確になることで初めて、効果的な能力開発が実現し、業績向上へ貢献できる人材の育成に繋がり、ひいては組織力の強化に波及していきます。

最後に、「長期の視座に立って計画的に行われているか」です。人材育成の観点からみれば、OFF-JTは能力開発の一手段に過ぎず、いくら印象に残る研修を実施したとしても、その記憶は忘却曲線に沿って失われていってしまいます。そのため、効果的な人材育成を行う重要なポイントは、OJT・OFF-JT・SDをいかに段階的かつ計画的に配置し、それぞれを有機的に連携させながら育成サイクルの定着を図っていくかにあり、さらに社員一人ひとりの実務における成果行動の実践度を観察~評価することで、目標に対する現状を正確に把握し、それを育成サイクルに柔軟に反映していくことが求められます。

人材育成というとOJTやOFF-JTを思い浮かべる方が多いかも知れませんが、人材育成の手法は多岐にわたって様々なものが存在します。一方で、人材育成が戦略的ではなく場当たり的であったり、組織の方針や戦略とブレがあれば、どんな方法で行っても却って逆効果にもなりかねません。人材育成はいかに戦略的に計画的に行えているかが重要です。皆さんの職場では、どのように行われていますか。

カテゴリー:人材育成

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チームを適切に機能させるタスク管理について

2024年11月30日10:48 AM

これまでも、マネージャーやリーダーがチームを管理することの重要性は指摘されてきましたが、個々人の価値観や働き方が多様化している昨今、チームを完全にまとめ上げることはとても困難になりつつあり、チームメンバーがバラバラと働いている状態で、「一人ひとりのタスク量や進捗状況をどうやって管理するか」「どうすれば、個人プレーではなくチームワークを高められるか」など、チームマネジメントに悩む上司の皆さんは少なくないのではないでしょうか。

一方で、直訳すると管理となるため、マネジメントとは単にメンバーを管理統率することと理解しているビジネスパーソンは少なくなく、例えば、マネージャーがメンバーに対して逐一指示を与えて進めているだけでは、チームの生産性が高まる域までに至ることはまずないと言ってもいいいでしょう。

このような上司の皆さんの悩みの多くは「タスク管理」に端を発しています。そこで重要となるのが、プロジェクト管理とタスク管理の違いを知っておくことです。プロジェクト管理とはプロジェクト全体の進捗やスケジュールを管理し、プロジェクトを円滑に進めていくことであり、それに対し、タスク管理とは大きな仕事を小さな仕事に分解し、個々のタスクの優先順位付けを行うことを指します。

チームを適切に機能させるためには、プロジェクト管理だけでは不十分であり、プロジェクトの成功には、個々のタスクの積み重ねが影響するため、マネージャーは、従来のプロジェクト管理に加えてタスク管理も行う必要があります。「タスクの抜け漏れはないか」「業務が止まってしまっているチームメンバーはいないか」「タスクの分量や割り振りは適切か」など、チーム全体のタスクをチェックしていくことが、結果的にプロジェクト全体の成功に繋がります。

そのためには、それぞれのメンバーが抱えるタスクを見える化し、マネージャーも含めた全員がプロセスやタスクの進捗状況を把握できる仕組みを作ることが必要です。タスクの納期や進捗状況を全員で共有できれば、タスクの抜け漏れを防止し、プロジェクトを計画通りに進めることができ、メンバー一人ひとりが他のメンバーの状況を考えながら行動できるので、チーム内の仕事のパス回しがスムーズになり、お互いを助け合いながら進めていくことが可能となります。

さらに、マネージャーがメンバー一人ひとりのタスクをチェックし、「特定のメンバーに業務量が偏っているような事態になっていないか」「タスクの処理時間が長く、ボトルネックになっているプロセスはないか」などを分析し、全員のタスクの見える化をより鮮明にしていくことで、メンバー同士でサポート、フォローできる体制が強化され、チームとしての組織力が向上されます。また、タスク毎に手順や作業方法を一枚のカードに記載した「タスクカード」を作成して活用することなどでも、業務の進め方が共有され、業務プロセスの標準化に非常に有効な仕組みとなります。

組織力を高め、チームを機能させるための第一歩が「タスク管理」です。皆さんのチームはいかかでしょうか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感

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ビジネスで重要視される目標設定について

2024年10月25日11:27 AM

目標設定とは、「目的」を達成するための行動や方針、施策を設定することであり、最終的なゴールへ向かうまでに必要な複数の要素として欠かせないものです。目標設定がビジネスで重要な理由は、進むべき方向性を明確にし、時間やコスト、労力を最小限に抑えて最短ルートで目的を達成するためです。目標の達成に必要な時間やコストの把握、リソースの適切な把握や管理に役立つ一方で、適切な目標設定ができなければ、最終的なゴールが達成されないだけでなく、達成のためにやらなければならないことを洗い出せなくなってしまうことになります。

「目的」と「目標」の違いは、「目的」は、最終的に成し遂げようとする事柄や全ての行動を方向づける根拠となるものであり、ビジネスて例えるなら、企業全体で達成したい「最終的な目標」と言えます。これに対し、「目標」は、目的を叶えるために段階的に設ける指標であり、目的を目指すプロセス上での一定期間における到達地点のようなものです。複数の目標を段階的に達成していくことで目的に近づいていくという目的を追求するための手段であり、必ず目的をベースに設定しなければなりません。

目標には発生型と設定型の二つのタイプが存在します。まず発生型は、既に発生してしまっている物事に対して設定される目標です。既存のあるべき姿と現状のギャップから発生する目標のため、誰でも理解しやすく共有も容易に行うことができます。発生型目標の設定の考え方としては、「過去⇒事実⇒問題の解決」というイメージです。一方の設定型は、自らの意志で自発的に設定する目標であり、思い描く新しいあるべき姿の提案のため、なぜその目標にしたのかを明確に言語化し、周囲を納得させるだけの根拠の説明が必要となります。考え方としては、「未来⇒意志⇒新しい価値」というイメージです。

目標の設定のプロセスについては、アメリカの学者ジョージ・ドランが提唱したゴール設定のフレームワークであるSMARTの法則が役立ちます。

  • S=Specific(具体的な):定性的な内容ではなく、数値化した定量的な内容であるか
  • M=Measurable(測定可能な):達成度合いが測定できる内容か
  • A=Achievable(達成可能な):努力すれば達成できる現実的な内容か
  • R=Relevant(関連性のある):企業のミッションや自分のなりたい姿などゴールと関連性のある内容か
  • T=Time-bound(期限のある):いつまでにどの状態を目指すか

ポイントは、ぼんやりではなく誰にでもわかるように表現すること、進行や達成の度合いを定量化して表現すること、希望や願望ではなく現実的で達成可能な内容を設定すること、組織の方針から外れない目標を設定すること、必ず明確な期限を設定すること、の五つになります。こうしたSMARTの法則に沿って考えていくことで、具体的で進捗管理しやすく、メンバーのモチベーションを維持できる「目的」をベースとした「目標」の設定が可能となります。皆さんのチームの目標はどのようなものですか。

カテゴリー:人事コンサルタントの雑感,目標管理

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コンフリクトマネジメントについて

2024年9月26日12:23 PM

異なる価値観や年齢、性別をもつ個人の集まりである企業組織においては、その大小にかかわらず様々な対立や衝突を避けては通れず、現場では日々、個々に顕在的または潜在的な葛藤や不満が生まれています。そうした個々が思い描く葛藤や不満はネガティブなイメージとして捉えられがちである一方で、見方を変えれば、異なる意見や見解として組織の活性化や新しいアイディアとして変換できるかもしれない可能性ももっています。

「コンフリクトマネジメント」とは、そうした組織内で生じる衝突や対立を戦略的に活用して、組織の変革や強化に役立てようとする手法であり、コンフリクトを上手にマネジメントすることができれば、チーム内での質の高い議論やメンバー同士の相互理解といったメリットを生み出すことも可能となります。そのため、職場環境や人間関係を改善し、さらにチームやメンバーの成長に繋げることができるように、破壊的な対立ではなく、いかに建設的な対立に変えていくことができるかがカギとなります。

職場におけるコンフリクトは、①仕事に関する目標や問題についての意見やアイディアの衝突によるタスクコンフリクト、②仕事への価値観や取り組み方、進め方についての考え方の相違によるプロセスコンフリクト、③パーソナルな人間関係から生じる感情の対立によるリレーションコンフリクトの3つの種類に分類されます。①と②についてはマネジメント次第でチームの活性化に繋がる生産的なコンフリクトととも捉えることができますが、③については放置してしまうと、メンバー間に不安や緊張をもたらす非生産的なコンフリクトであり、「嫌い」「腹が立つ」など感情的にもつれてしまえば収拾がつかず解決が困難になることも少なくなく、対処が遅くなればなるほどチーム内のストレスや不安感は大きくなってしまいます。

こうしたコンフリクトが発生した際に、メンバーがどのような態度をとり、それに対してどのような反応が見られるかは大きく分けて次の5種類に分類されます。

        態 度        反 応
強制自分の意見を一方的に相手に押し付ける押し付けられた相手は不公平感や不満を抱きやすい
妥協双方が妥協し合って、落としどころを探る問題の解決はできるが、中途半端な結論になりがちで、成果の満足度は低い
受容相手の意見を優先して受け入れる一方が自身の意見や主張を抑え込むため、Win-Loseの関係性になってしまう
回避コンフリクトそのものを避ける対立は起きないが、問題は回避されるので、先送りになってしまう
協調互いの意見を尊重し合い、建設的な議論で解決を目指すWin-Winになる可能性が高く、新しいアイディア創出のチャンスにも繋がる

「強制」については強い上司やリーダーが恒常的に行いがちであり、「妥協」については日常的な解決策である一方で習慣化しないように注意する必要があります。「受容」と「回避」についてはリレーションコンフリクトにおいて放置されがちです。言わずもがな、コンフリクトマネジメントの目指すべきゴールは「協調」となるわけですが、一方で、先の4つの状態で落着せざるを得ないケースは少なくありません。そのため、上司である自分やメンバーがどのような態度や反応をとっているかを冷静に把握し、客観的に判断することで、その状況に応じた適切なマネジメントを行うことが求められます。このような際、皆さんはどのようなマネジメントを行われていますか。

カテゴリー:人材育成

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