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カスハラ対策義務化について
2026年8月26日 10:00 AM
10月1日から、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策が義務化されます。この義務化は一部の大企業だけを対象にしたものではなく、中小企業や小規模事業者を含む全事業主が対象であり、医療・介護・店舗・コールセンター・営業など顧客接点がある業種はもちろん、電話・メール・来訪対応が発生するあらゆる職種に関係するため、企業は、「基本方針の明文化」「相談窓口の整備」「対応マニュアルの作成」「従業員研修の実施」「記録・証拠保全の体制整備」「発生後のフォローと再発防止」までを一連の仕組みとして整える必要があります。
まず、「カスハラから従業員を守る」という方針を明示することです。例えば、社内では就業規則や社内ポータル、研修資料などで周知し、社外にはWebサイトや店舗での掲示、利用規約などで姿勢を伝えると効果的であり、現場任せにせず、組織として許容しない姿勢を出すことが出発点になります。
次に、従業員が安心して相談できる窓口です。制度があっても、相談しにくい状態では実効性がないため、総務や人事、外部相談窓口など、「誰に」「どのように」相談できるのかを明確にし、プライバシー保護と相談したことによる不利益取扱いの禁止もあわせて示す必要があります。
さらに、現場で迷わないための判断基準と対応フローをまとめたマニュアルが不可欠です。例えば、どの言動をエスカレーションの対象とするか、「上司への報告」「電話を切る」「来店を断る」「警察や弁護士へ相談する」などの基準はどこにあるか、といった点を整理しておく必要があり、マニュアルがあることで、担当者ごとの対応のばらつきも抑えることができます。
一方、ルールを作るだけでは不十分であり、従業員が実際に使えるように教育する必要があります。研修では、「カスハラの判断基準」「正当なクレームとの違い」「初動対応」「記録の残し方」「管理職の役割」などのレクチャーが効果的であり、特に、管理職が対応を引き受ける場面が少なくないため、一般社員と管理職とで分けての研修が望ましいでしょう。
また、カスハラ対応では、事実関係を客観的に確認できるかどうかが重要であり、記録体制が弱い状態であれば、担当者の記憶頼みなり、社内判断や再発防止が難しくなってしまいます。そのため、電話なら通話録音、メールなら原文保存、対面なら応対記録、防犯カメラや受付メモなど、後から検証できる状態を整えておくが必須となります。
最後に、発生後のフォローと再発防止です。被害発生後は事実確認だけでなく、従業員への配慮や再発防止まで含めて対応する必要があり、「メンタル面のケア」「必要に応じた配置転換」「関係者への共有」「マニュアルや研修内容の見直し」など、事後対応の仕組みまでが構築されて初めて実効性のある対策となるため、単発で終わらせず、計画的にPDCAを回していく視点がとても大事です。
現時点では、カスハラ対策義務に違反したからといって、直ちに刑事罰が科されるというわけではありません。とはいえ、法令上の義務である以上、未対応の企業には行政上、助言・指導・勧告を受ける可能性があり、さらに対策を後回しにしてしまえば、現場の疲弊が進み、離職や休職の増加に繋がるリスクにもなりかねません。特に現場対応が多い業種ほど、制度だけを作ってお終いではなく、実際に運用に落とし込めることができているかがとても重要です。皆さんの職場では、しっかりと対応されていますか。
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