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下級者の指導育成について

2026年10月22日 11:35 AM

上司の皆さんが抱える悩みは様々と思いますが、多くの皆さんが課題視されているのが「下級者の指導育成」なのではないでしょうか。日々、自身が受け持つタスクをこなしながら、価値観や考え方、育った環境等が異なるメンバーを育てることは、リーダーやマネージャーが直面する非常に難易度の高いミッションとなっています。

指導育成を難しくする原因として挙げられるのは、まず、上司自身が業務を抱えて非常に多忙であるが故に、下級者の育成にまで時間が取れないということです。これにより、下が育たず、増々自分で仕事を抱え込んでしまうこととなり、いつまでも部下に任せられないという負のスパイラルに陥ってしまいます。さらに、上司が多忙であると育成や雑談などを含めたコミュニケーションの時間が取れないという状況も発生してしまうため、「気付かないうちに離職を決めていた」「一人で悩み込んで、メンタル不調を起こしてしまった」など、コミュニケーションをしっかり取れていたら防げていたかもしれない問題も生じてしまいかねません。

次に、メンバー一人ひとりの個性や特性を掴んでのコミュニケーションの不足です。人にはそれぞれ異なる価値観やコミュニケーションのタイプがあり、上司は一人ひとりのメンバーの個性や特性を知っておく必要があり、それぞれの違いによって指導方法を微妙に変えるなどの配慮が求められ、特に、メンバーの個性や特性を無視して、上司としての考え方や価値観を押し付けるようなコミュニケーションをとってしまうことは、指導育成を阻害する重大な原因となってしまいます。

最後は、サポートやフィードバックが適切でないことです。メンバー一人ひとりの成長を促すために欠かせないのが上司や先輩からのサポートやフィードバックである一方で、その方法が適切でなければ、却って育成を阻害してしまう結果となりかねません。例えば、上司や先輩がサポートをし過ぎてしまうと、自身で達成できたという実感を得られ難い一方で、サポートが全くなければ、不安を募らせてしまいます。フィードバックに関しても、「タイムリーに行われていない」「悪い面ばかりを指摘する」など、有意義な振り返りの場として機能していなければ、寧ろ逆効果になってしまうでしょう。

このようなことにならないためにも、リーダーやマネージャーの皆さんは、三つの「思い込み」をやめることが必要です。

まず一つ目は、「同じ経験をしているという思い込み」です。時代が変わり、若いメンバーは上司が育った時代と全く違う経験をしていることが少なくなく、「これくらい言わなくてもわかるだろう」という考えは通じなくなっています。そのため、ルールを共有したり、コミュニケーションをしっかり取ったりすることで、互いの認識にズレがないかを確認する必要があり、さらに、指示や指導の際は抽象的な伝え方ではなく、「仕事の全体像(5W1H)」を具体的に伝えることが求められます。

二つ目は、「同じ価値観を持っているという思い込み」です。価値観も多様化しているため、メンバー一人ひとりのモチベーションの源が、上司である自身と同じだとは限りません。それぞれの仕事の価値観やモチベーションの源はどこにあるのか、何を大切にしたいと思っているのかを意識しながらコミュニケーションを行っていくことがとても大事です。

三つ目は、「仕事は苦しいものだという思い込み」です。「仕事で楽しいことなどない」とまでは言い切れませんが、辛く大変なことの方が少なくないことは事実です。一方で、苦しいだけで終始してしまうような仕事観は、特に若手や新人には響くことはないと言っても過言ではありません。例えば、「頑張っていれば、いつか何かが見えてくる」「お金を稼ぐのは苦しいものだ」といった伝え方では、効率を考える時代に育った若い世代は、まず納得しないでしょう。苦しい思いをして、貴重な人生の時間を費やすのであれば、他に行こうと考える人も増えているため、上司の皆さんには、「大変さを乗り越えた先に手にできるもの」をしっかりと伝えることが求められます。

そして、何よりメンバー一人ひとりの「強み」を知ることが大切です。上司が下級者を育成しようとする際、どうしても弱みを改善することに注力しがちになります。一方で、人が成長する上でとても重要なのが、自身の特性や強みを知ることであり、特に自身の強みは、何かを成し遂げるときの原動力となります。そのため、上司の皆さんには、それぞれの「強み」を適切にフィードバックすることで、メンバーに「自信」や「自己効力感」を促すように努めることが求められます。当然、弱み(改善点)を伝えることも上司の重要な役割である一方で、弱みにメスを入れる際には、まず強みを伝えて、メンバーが前向きな気持ちで弱みを受け容れることができるようにすることがとても大事です。皆さんの職場では、どのような「指導育成」を行われていますか。

カテゴリー:人材育成

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