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リテンションマネジメントについて
2025年12月25日 11:19 AM
リテンションマネジメントとは、組織における人材の離職を防ぎ、継続して活躍してもらうためのマネジメント手法のことを言います。少子高齢化による労働人口の減少が増々加速し、企業は必要な働き手を確保できずに慢性的な人材不足に悩まされ続けています。一方で、このような状況下でも生産性の向上を目指していくことが必要なため、社員に長く働き続けてもらうための取組みをいかに効果的に行っていけるかが重要な経営課題の一つとなっています。さらに、人材の流動化によって、定年まで一つの企業で働き続ける終身雇用の概念は弱まり、若年層の早期退職がもはや特別ではないことから、多くの企業でリテンションマネジメントが注目され始めています。
リテンションマネジメントがもたらすメリットとしては、まず、採用コストの抑制が挙げられます。企業が人材を採用する際には、「採用に関わる事務的コスト」「人材紹介会社などへの手数料」「人材育成コスト」などの様々なコストが必要であり、リテンションマネジメントによって若手の離職を防ぐことができれば、新たな採用活動を計画的に進められるため、採用コストの抑制が可能となります。また、離職率の低下により働きやすい職場であることを内外にアピールすることができ、良好な労働環境が重視される昨今での有効なアピールポイントにもなります。
二つ目は、ノウハウの蓄積と流出防止です。社員が退職すると、その社員がこれまで会社で蓄積したスキルやノウハウが流出してしまうリスクが発生しかねません。情報流出リスクは、企業が退職する社員と秘密保持誓約書を締結することである程度抑止することは可能ですが、リテンションマネジメントを通して社員の定着を図ることの方が企業としては好ましいと言えるでしょう。また、社員が定着することで、個人のスキルやノウハウのみならず、組織全体としてのスキルやノウハウの蓄積が可能となり、社内ネットワークの構築や維持が安定します。
三つ目は、安定的な経営戦略の遂行です。職場のコアとなる社員や優秀な人材、将来を期待できる若手社員の定着を図ることで、人材を長期的に観察し、適材適所に配置することで、企業としての安定的な経営戦略や人材戦略が可能となり、さらに、経営層や管理職、中堅社員、若手社員など、階層間を超えた信頼関係が構築でき、結果的に経営の安定に繋がります。
最後に、社員のモチベーション向上です。リテンションマネジメントによって、社員のモチベーションやエンゲージメントの向上を図ることができ、生産性の向上や職場の活性化にも繋がり、組織全体で離職率を低下させる効果を期待できます。
リテンションマネジメントは、大きく「金銭的報酬」と「非金銭的報酬」に分けられ、「金銭的報酬」としては「個人の能力に応じた給与」や「インセンティブ」「ストックオプション」「福利厚生」などが、「非金銭的報酬」としては「キャリア形成やスキルアップのサポート」や「ワークライフバランスの実現」「充実した就業環境の整備」などが挙げられますが、年功序列が淘汰され、成果主義の導入が主流になった現在、多くの人事考課や人事評価は「成果」「能力」「コンピテンシー(行動特性)」が基準となっていますが、却ってそのことによって「自分の仕事の結果次第で給料は決まる」「低い報酬であったとしても、もっとゆとりのある仕事がしたい」などの相反するような意識も社員間では発生しており、さらに労働に対する価値観の多様化も相まって、成果主義や高報酬を掲げるだけではリテンションマネジメントの効果は期待しづらい状況も少なくなく、近年は「金銭的報酬」以外の価値を重視する傾向が高まりつつあります。皆さんの職場では、どのような取り組みを進めれていますか。
カテゴリー:雇用管理
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